ほったらかしで栄養もとれる。管理栄養士が圧力鍋を手放せない理由
料理をさぼりたい人ほど圧力鍋は向いている。ほったらかしで時短になるだけでなく栄養も逃しにくい。2年使い続けた管理栄養士が圧力鍋のメリットを正直に書きます。
加圧中に風呂入れる。それだけでぼくは買う価値あると思ってる。
圧力鍋って「上級者の道具」だと思っていませんか。
ぼくも最初そう思っていました。でも2年使い続けた今、これはむしろズボラほど向いている道具だと確信しています。時短になるのはもちろん、栄養面でも理にかなっている。管理栄養士として本音で書きます。
ズボラに向いている理由
圧力鍋が楽な理由は「火加減を見なくていい」の一点に尽きます。
材料を入れて蓋をして加圧が始まったら、あとは放置。加圧中にコンロから離れて風呂に入っても、他の家事をしても問題ない。拘束されないんです。
炊飯器のような「待つだけ」ではなく、加圧+放置でじっくり火が通るので、煮物・炊飯・蒸し料理まで一台でまかなえる。台所に立っている時間が短くなります。
加圧中は風呂に入っていい。これが圧力鍋の本当の価値だと思う。
栄養面でも優秀な理由①:汁ごと食べられる
圧力鍋で温野菜を作るとき、ぼくは鍋に少量の水を入れて金ザルをかませ、その上に野菜を置いて蒸します。
このとき鍋の底に残った汁は、野菜から出た栄養(ビタミン・ミネラル)が溶け込んでいます。これを捨てずにそのまま味噌汁やスープのベースにする。
ゆで野菜はどうしても水溶性ビタミン(ビタミンCやB群)が茹で汁に流れ出てしまいます。でも汁を使い切れば損失はほぼゼロ。
「栄養素を逃がさない」という点で、圧力鍋での蒸し調理は優秀な方法です。
栄養面でも優秀な理由②:安い部位が化ける
ぼくが圧力鍋でいちばんよく作るのが鶏手羽元の煮込みです。
手羽元はスーパーでも安く買える部位ですが、普通に煮ると固くて食べにくい。圧力鍋で加圧すると、骨まわりのコラーゲンが溶け出してとろみが出て、肉はほろほろに仕上がります。
骨から出る旨味がスープに溶け込むので、調味料が少なくても味が決まる。安い、うまい、栄養も逃さない。スーパーでの肉の選び方はこちらの記事で詳しく書いています。
鶏手羽元は圧力鍋で真価を発揮する食材だと思っています。コスパで言えば最強クラス。
栄養面でも優秀な理由③:高圧短時間調理だから栄養が「壊れない」
「圧力鍋にかけると栄養が壊れるのでは?」という不安、聞いたことがあるかもしれません。
管理栄養士として正直に答えると、多くの場合は逆です。
栄養素が失われる主な原因は3つです。
- 長時間加熱:熱に弱いビタミン(B1・Cなど)が分解される
- 水溶性ビタミンの溶け出し:茹で汁に流れ出てしまう
- 酸化:時間とともに空気と反応して劣化する
圧力鍋はこれらをむしろ抑える調理法です。
- 加熱時間が短い:加圧は数分〜十数分。同じ食材を同じ柔らかさに仕上げるのに必要な時間が普通の鍋より大幅に短いので、加熱で失われるビタミン量を抑えられます
- 密閉されている:空気との接触が少ないので酸化しにくい
- 少ない水で済む:水溶性ビタミンが溶け出す総量が少ない
「壊れる」のは確かに一部のビタミンですが、長時間煮込むより圧力鍋の方が損失は少ないというのが管理栄養士としての正直な見解です。
「圧力=壊れる」というイメージがありますが、栄養素が壊れる主因は「時間」と「水」と「酸化」です。圧力鍋はその3つすべてを減らせる調理法なので、栄養を残したい人にこそ向いています。
炊飯器との違い:時短が圧倒的
ぼくは白米ではなく5分搗き米を圧力鍋で炊いています。
炊飯器で玄米・分搗き米を炊こうとすると、専用モードでも1時間近くかかる機種が多い。圧力鍋なら加圧5〜8分、蒸らし込みで30分以内に炊き上がります。
栄養価が高い分搗き米を日常的に食べるハードルを、圧力鍋が大幅に下げてくれています。
まとめ
圧力鍋は「料理上手が使う道具」ではなく、料理をさぼりたい人ほど向いている道具です。
- 加圧中に別のことができる(拘束時間ゼロ)
- 汁ごと使えるから栄養が逃げない
- 安い食材が旨くなる
- 炊飯器より炊飯が速い
「難しそう」という先入観が一番のハードルで、使い始めれば思ったより簡単です。台所に立つ時間を減らしながら、栄養のとり方を良くしたい人にはかなりおすすめします。
汁ごと使う発想と同じく、冷凍を使いこなすことも「栄養を逃さないズボラの知恵」になります(→ 冷凍したら栄養が増える食材がある。ズボラ向け冷凍保存の正解)。
よくある質問
Q圧力鍋は普通の鍋より栄養が残りやすいですか?
A高圧で短時間調理するため、長時間の煮込みよりビタミンの損失が少なくなります。また蒸し調理で出た汁を味噌汁やスープに使えば、栄養をほぼ丸ごと摂取できます。
Q圧力鍋で炊飯するメリットはありますか?
A炊飯器より大幅に短時間で炊けます。玄米や分搗き米は炊飯器の専用モードで1時間近くかかる場合がありますが、圧力鍋なら加圧5〜8分、蒸らし込みで30分以内に炊き上がります。
Q圧力鍋の使い方は難しいですか?
A慣れれば難しくありません。材料を入れて蓋をして加圧するだけで、火加減を見る必要がなく加圧中はその場を離れられます。炒め物・煮物・炊飯・蒸し料理と1台で幅広く使えます。
Q圧力鍋にかけると栄養が壊れることはありますか?
A「壊れる」という表現はやや誇張気味です。栄養素が失われる主な原因は『長時間加熱』『水への溶け出し』『酸化』の3つで、圧力鍋はそのすべてを抑えやすい調理法です。普通の鍋で長時間煮込むより、圧力鍋の方が栄養の損失は少なくなる場合が多いです。
Q圧力鍋でビタミンCは壊れますか?
AビタミンCは熱に弱いため一定の損失は避けられませんが、圧力鍋は加熱時間が短いため、長時間煮込むより損失は小さくなります。煮汁ごと味噌汁やスープにすれば水に溶け出したビタミンCもまとめて摂れます。
圧力鍋ってなんか難しそう。爆発しそうで怖いし、ずっとためらってる。